ドラマ「パンドラーAI戦争ー」に見る近未来社会

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最近、ブログを更新してなかったので、また軌道に乗せていこうw

毎回プログラミングやITに関連する映画や本を紹介するこのコーナ。今回はWOWOWで放映されていた独自ドラマパンドラーAI戦争ーを観た感想です。AI(人工知能)は我々の生活を豊かにするのか、誰もが簡単に医療にアクセスすることができるのか。AIと医療の現場を描く全6話のドラマです。

なお、いつものようにネタバレを含みますのでお気をつけを

メインキャストは向井理さん、黒木瞳さん、原田泰三さん、渡部篤郎さんなどなど

AIが診断を行い、人間では見つけられなかった病気をみつけていく近未来をテーマにしています。人間は間違いを犯すが、AIは完璧な診断を行う・・・はずだが、AI診断によって緊急オペが必要となった患者が術後様態が急変して亡くなってしまうという事件が起きてしまう。患者を死なせてしまったのは誰か?そこに医療ミスはあったのか?AIの診断ミスなのか執刀のミスなのか?

ドラマではAI診断システム開発した技術者、患者を執刀した外科医、亡くなった患者の遺族、それを記事にする記者、AI医療によるミスを訴訟をする弁護士といった形で登場人物が増えていきます。この展開は近いうちに現実的に起こってしまうような内容です。

実際にAIを医療診断に用いているケースは始まっており、現時点ではサポートの域をでないでしょうが、その精度が非常に高く誰もがその結果について信用できるようになったら、放射線科医や内科医は不要になるのかもしれません。

ドラマの中で向井理演じるAI診断システムを開発した医者であり技術者の言葉が印象的でした、言葉は完全に覚えていませんがこんな感じの内容です。

「かつて電卓が世に出たとき、わざわざソロバンで検算をしていた時代があった、今ではそんなことをする人なんていない。」

そう、我々が電卓の結果を当たり前のものとして受け入れるように、いずれAIを当たり前のものとして受け入れる時代がくるのかもしれません。

同時にこのことは、前に話した映画ドリームのシーンも想起しました。米国として初めて友人地球周回飛行に臨む「フレンドシップ7」が打ち上げられる直前、IBMコンピュータが出した着信地点の計算結果が前回と異なることがわかり、飛行士のジョン・グレンは、彼女(数学が得意な事務員)が検算した結果が正しければ離陸すると言い、その結果がコンピュータと一致していたことで安心して離陸に臨みました。同じようにAI診断システムの結果をもとに、医者が診断をすることによって、我々は安心するというステップを踏まないといけないんだろうな。

そしてこのドラマではAI医療を推進しようとするIT起業の社長と厚生労働大臣、そしてAI医療が普及すると医者の立場がなくなると抵抗する医師達の姿も見ものです。

AIに何ができると抵抗する医師達、しかし病院の経営権を握っている渡部篤郎演じるIT企業社長は、日本はこれから益々、少子高齢化が進み、地方では医療を満足に受けられない人が出てくる、AI医療による無人医療システムの普及は遅れをとってはならないと、病院に勤める医者をレイオフ(解雇)を宣言します。まさにAIによって仕事を脅かされるというAI脅威論が現実のものとなります。解雇を言い渡された医者の中には、AI医療システムおよびAI医療システムを開発した技術者を脅威とみなし、反発を強めます。このシーンをみてて、ああTBSドラマの仁(JIN)のように未来からやってきた南方仁の高度な医療技術に恐れをなして、反発する江戸時代の医師達のような絵をみてしまった。

しかし、このAIにより仕事を奪われるというのは、これから実際に起こる可能性が高く、産業革命がブルーカラーの労働を奪い、IT革命はホワイトカラーの一部、経理などの事務職の仕事を奪った、そしてこのAI革命というべき新しい流れは、ホワイトカラーでも専門職と言われる人達、医者、弁護士、会計・税理士、薬剤師といった仕事を奪おうとしている。そんな中で既存の勢力からの抵抗にあうのは必至であり、その過程で事故が起きれば、AIが悪いのか?人間が悪いのか?の議論が交わされるだろう。

 

ドラマは最終的に・・・・すいません再度言いますがネタバレです。

 

AI診断システムが診断ミスをしてしまうということや医療スタッフの抵抗によりAI医療を導入するのは早急ということで幕をとじます。個人的には、AI医療訴訟についてもっと踏み込んだ内容、機械が判断した結果について誰が罪を問われるかと言った点、AI医療の詳細について技術的な深堀りを期待したけど、あくまでAIをテーマに人間関係を中心にしたドラマとなっておりました。また類似作に期待ですね。

ただ、このドラマで起きていることは近未来で必ず起こるであろう内容であり、我々はAIが我々の社会に有益であるかを真剣に議論する機会が到来するでしょう。それを予行演習させてくれるような作品でした。

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