2020年よりプログラミング必修化と盛り上がっていますが、それってどうかわるのというところをちょっとまとめてみました。こんな感じになるようです。
そして、ちょっと言葉の定義というか上記で扱われる内容は次のようになります。
「必修化」 授業で必ず扱われるようになるが成績はつかない
「教科化」 独立した教科として扱われ成績がつく
「入試化」 入試の採点項目に組み込まれる
2020年から小学校でプログラミング教育必修化といって騒がれていますが、この内容はプログラミングの”必修”であり、国語・算数・理科・社会といった独立した教科のように情報(プログラミング)といった教科ができるのではありません。実際は国語や算数などの授業の中でプログラミングを少し触りますよという程度の取り込みになり、その幅や内容は各県の教育委員会、各学校にゆだねられています。
そのため英会話のように、早くパソコン買って、プログラミング教室に通わなきゃ乗り遅れてしまうと焦ってしまうのはちょっと早計です。
ただ、今後の高校までのロードマップをみていると、全く手を付けないというのもどうかと思うような内容です。次に中学から高校、大学入試までを見ていきましょう。
中学教育では技術・家庭科の中で結構前(1989~)から選択として「情報基礎」という形でプログラミング要素がはいってきていました。ただし、選択制ということで学んでいない学生も多いと思います。限られた中学3年という時間の中では技術家庭科においては必須項目である「木材加工」「電気」「家庭生活」「食物」のみが教えられてきたかと思います。僕も学生のころの技術家庭といえば、ノコギリとヤスリをつかって木工用品をつくったり、旋盤で金属加工をしたイメージしかないですねぇ。
これが必須という形ですべての学生が学ぶ必要になったのは2008年からであり、今回の教育改革よりも前から技術家庭科の中ではプログラミングが必修化が先行していました。とはいえ、ここも必修の範囲をでないことと、内容は各県、各学校によって任されており、共同で作業したりするところもあったりと全員がプログラミング要素を備えられたかというと謎です。
これが、今回の教育改革では内容、時間が拡充され簡単なプログラムを作成できるようにすることとあるため、ある程度は情報教育が進むものと思います。ただ、これも必須化であるため点数化はされません。
一方、高校においては以前から情報科という形で教科になっており、「社会と情報」「情報の科学」という2つの科目があって、どちらか1つを必ず勉強しなければいけない選択必履修という形をとっていました。
このうちプログラミング言語を利用するのは後者の「情報の科学」であり、各校の選択状況ではH27年のデータで社会と情報が8割、情報の科学が2割と本格的にプログラミングを学んでいる学校は一部。これが2022年からにおいては、情報科という教科はそのままで「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」という科目に再編されます。
このうち、「情報Ⅰ」が全高校生が必ず勉強しなければならない共通必履修、「情報Ⅱ」が余裕あるなら選択して勉強してもいいよという選択履修科目になっています。
これは教科なので成績がつきます。点数が悪い、いわゆる赤点をとると落第となります。つまり、高校では真面目に情報について学ばないと卒業できない状態にありますよ。
情報Ⅰと情報Ⅱでどのくらいプログラミング言語を扱うかはま見えていませんが、今の指針ですと情報Ⅰで、プログラミングとデータベースを必ず扱うこと、情報Ⅱはビックデータ、AI、Iotを扱うとあります。こちらについては教科書を出版している会社の方針が参考になるかとおもいます。
教科書出版 第一学習社の高校向け教科書
うち「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」の想定構成
http://www.daiichi-g.co.jp/kyoka/skk/88644A.pdf
そして最後が「入試」、前述の通り、すでに高校では教科としての情報科で「情報と科学」「情報と社会」のどちらかを必ず勉強するとなっており、大学センター試験でも「情報の基礎」という名前で受験可能でした。
でも実際は、この科目で受験していいよという大学が少なかったのです。これは、まず大学センター試験の時間割において、情報の基礎が、数学と同じ並びになっているんですよね。つまり受験生は数学を選ぶか情報を選ぶか決めなくてはいけない。そうすると必然的に採用する大学が多い、数学の方を選択する形になってしまい。情報の方はというと盛り上がりにかけていました。
これは現在、外国語で英語以外にも、フランス語、中国語、韓国語があるのに圧倒的に英語が選ばれ、同様に社会科科目では倫理政経が選ばれないという事象と同じです。
現行(2019年)のセンター試験の時間割
これが2024年度から大学センター試験の後継版にあたる新共通テストにおいて新課程の情報Ⅰに該当する科目が採用されるとされています。
とはいえ、まだ検討段階です。現行でも情報科が採用されていることからおそらく採用されるとは思いますが必履修だからといって必ずセンター試験で採用されるとは限りません。実際、必履修の保険体育はセンター試験ででてこないですよね?そして、時間割も気になるところです。今と同じように数学と同じ並びになるのであれば今と全くかわりません。
これは2021年度には方針を出すとされていますので、ここで情報Ⅰが独立した時間で試験がおこなわれ大学側も入試科目に採用するところが増えた場合、今のプログラミングブームが本格的なものとなるでしょう。
というより、本格的な入試科目となると大手予備校が黙っていません。試験問題も徹底的に分析されて、僕のような素人が分析するのではなくより本格的な対策を検討するでしょうそして高い塾代を払うことになってしまうんでしょうね・・・・。
入試科目から大学を探せるサイト
一方で気になる点としてはセンター試験においてCBT方式を採用するかもしれないといっていること
このCBTというは、民間の試験では採用されているのですが、紙と鉛筆で試験するのではなく、コンピュータを使って試験をするというものです。このCBT方式が具体的にどこまでやるかはわかりません。単純に今のマークシートのように、選択式のような形でマウスでポチッとクリックさえできればいいのか、それともフリー入力欄に文字を打たせる形なのか見えていません。後者であればキーボード操作に慣れていないとかなり不利になるでしょう。
今回はプログラミング必修化という言葉の意味するところについて書いてみました。現在、騒いでいる小学校からのプログラミング必須化については、それほど大ごとに考えなくても僕自身はいいと思っています。ただ、大学入試までの長期的な視点で考えるとまた変わってくるのかなと、以上のようなことを踏まえて、プログラミングについてどう向き合っていくの?という僕なりの考えはまた別の機会に述べたいと思います。
ということでTo be continued
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