Viscuite、Code.orgに続いてScratch Jrを試してみました。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発したScratchのその名のとおりジュニア版ということで、Scratchの機能をよりシンプルにして5~7歳程度を対象にしているとのこと。
このScratchJrはPCブラウザ向けにはなさそうで、iPadやAndroidタブレットなどが主な対象のようです。無理くりPCにインストールすることもできるみたいな記事も見つけたのですが、ちょっと大変そうです。なのでタブレットが基本でサポートが効くととらえた方がよさそうです。なお、一旦インストールしたらオフラインでも稼働するようであり、アカウント登録は特に必要ないです。
画面を立ち上げると以下のような画面になります。具体的なアイコンの説明は公式サイトに詳しく書いてあるので、そちらを見た方がよいかと思いますが、ざっくりこのような感じです。
早速、簡単なプログラムを書いてみます。といってもキャラクタのネコがぐるぐる回るのを繰り返すだけのもの。さっきの実行(緑の旗)は一度動かすと、今度はSTOPボタン(赤い六角形)にかわります。
さて、このScratchJrでは、パラパラ紙芝居と簡単なゲームを作れるようなので標準で入っているキャラクタと背景を使って簡単なプログラムをかいてみました。
まずは紙芝居プログラム。背景に道路とガレージ付きの家の画像を選んでキャラクターのネコくんが玄関までいって着いたぞーと嬉しくなってジャンプして「こんにちは」と言う処理をネコのスクリプトとして作ります。
そして、次が車の処理。車のキャラクター絵がちょっと大きいのではじめに縮小する処理もいれています。本当は初めから縮小した車の図を用意すればいいけど、面倒なので処理でごまかしてみました。ネコくんが「こんにちは」と言い終わるとオレンジのメールが発信されるので、車のスクリプト側ではそれを受け取ったことを発動条件として、消えていた車を再表示させ、ネコくんの近くまで行って「おまたせ」という処理です。
こんな感じですがブロックの組み合わせで、操作を覚えながら10分ほどで簡単に紙芝居をつくれましたね。なれたら、きっと5分でつくれるでしょう。
続いては簡単なシューティングゲームを作ってみました。ロケットを指でタッチしたら発射して、タコ星人と接触したら、タコ星人が「ウギャー」といって膨らむゲームとなります。
まずはロケットの処理。先ほどの車のスクリプトと同じようにロケットの絵がちょっと大きいので、一度、縮小の処理をいれます。次にロケットをさわったら北方向に発射して画面の外ぐらいまできたら消滅して再びロケットを元の位置に表示させる処理をいれます。これはレッドのメールを送受信する処理で実現します。
タコ星人の方は、縦横に画面の中を動き回る処理とロケットに接触したら、「ギャー」と叫び膨れ上がる処理です。こちらはScratchJrになれないこともあって20分程かかってしまいましたが、それでも何回か試行錯誤して操作や考え方になれたら簡単につくれてしまいます。ちょっとぶつかった後の「ウギャー」というタイミングとロケットの位置がずれてますが、微調整すれば、このあたりもきれいにできるでしょう(今回は面倒なのでやってません)
ScratchJrでは、このように紙芝居や簡単なゲームが作れます。
順次処理、反復処理(無限・回数ループ)はできますが、条件分岐は限定的です。また本家のScratchに比べると、ゲームの点数を表示するためのカウンタの作成などの四則演算はできないようです。
とはいえ、キャラクタの移動も+1といった形で整数だけであり、回転についても、+1が約30度相当であり、角度を入力するということもないです。このScratchJrだけでは本格的なプログラムは書けないですが、Scratchでも使える画面切替やキャラクタ間の起動トリガの操作を覚えることができます。一方、Scratchになると、整数だけでなく負の数や小数点、角度も何度と入力。XY座標に変数(A=1を代入など)を使ってプログラムをつくるので一気にレベルが高くなるかと思います。このジュニアはScratchに移行するまでの準備期間としてよいのではないかと思いました。今回はそんなScratchJrのお試しでした。
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