映画Searchを観た!

プログラム

 

例によってプログラミングやITにかかわる映画についていろいろと語るコーナ。今回観たのは「Search」という映画です。今回はネタバレはありません。

 

 

この映画、102分の映像なのですが全てパソコンの画面だけでストーリが進むという作品。すべてパソコンのモニターだけで映画作れるのとおもったけれども、俳優の動きはモニターに映るFacetimeの映像であったり、通話が終わったあともアプリをOFFにせずにそのまま自撮りで映る映像を流すことで驚きの顔や不安な顔をみせ観客に共感を仰ぐ。また同時にブラウザによって検索されるWebサイトであったり、SNSの様子、これは外の映像なのとおもったら、パンアウトされるとそれはYouTubeの映像であったり録画した動画ファイルであったりするというもので、すべてパソコン画面上で再生されているという体で撮られており、映画フォルムで俳優をリアルに直接とったものといったものは出てこない、あくまでも映像ファイルを再生しているという間接的なものをつなぎ合わせてストーリが組み立てられています。

 

しかし、これがまた面白い。展開にスピード感があり、また俳優が映らないWeb画面の検索窓やチャット窓に入力するタイピングの動き、書いてはとめ、書いては消しての文字の流れによって登場人物の心の変化が読み取れたりして、そのスタイルの斬新さとあわせ最後までとても楽しめました。

 

この映画はトレイラーにあるとおり、主人公の娘が行方不明になって、その行方をパソコンに残った情報やSNSなどの情報を基に推測していくのですが、画像や映像に残るわずかな手がかりから糸口を見つけていきます。あれ、この写真にうつるこのロゴマーク、これってSNSのプロフィール写真に入り込んでなかった?とか、この顔どこかで観たぞとGoogleの画像検索をつかってみたり、この風景写真って?といった形で次々と情報をリンクさせていきます。

この作品を観ていて思ったのは、失踪したNewsが話題になると、娘のクラスメイトたちが実際に会ったり会話したりしたときに見せた態度とメディアで取材したりSNSで発信したりするときに見せる顔が180度違うこと、また匿名であるネット特有の便所の落書きならぬ言いたい放題な市民のコメント、アクセス数を稼ぐためかYouTuberががそれっぽいことを語るというネットの世界ってこういう側面があるよねという部分。そして、SNSを中心に色々と個人情報をネットに載せると、そのサイト単体ではわからなくても、複数のサイトの情報をつなげると色々と情報が漏れてしまうなぁ、もっと注意しないとなぁと、自分の子供にもITリテラシーとセキュリティーの大切さを教えることは重要だなぁと改めて考えさせられた作品でした。

 

今まではこういった予算をかけずに製作するサスペンスもの映画としては、今放映中の我らが印西市出身の女優真木よう子さん主演の「ボイス」のように110/119ダイヤルにかかってきた電話音声だけの情報を頼りに推測する救急ダイヤル推理系だったのですが、Searchは同じく低予算で制作したネット版とという感触を持ちました(もちろん映像が入る分、救急ダイヤル系よりお金はかかっているでしょうけど)。またYouTubeや動画ファイルを使って思い出を紹介する部分はパラノーマル・アクティビティを彷彿させるものでありました。ハンディカメラで撮影していることによる手振れ、またFacetimeによる通信の乱れによるコマ落ちなどがよりリアルさを感じさせられます。

 

ちなみにこの救急ダイヤル推理系としては、日本へ配給されるものとしては珍しいデンマークの映画で「ギルティ」というのも、えっ最後そういう展開?という感じでラストにどんでん返しがあり、その視点の転換で、一気に人間の思い込みというものはなんて脆いものなんだ、そして、その思い込みによって行動したことが結果として、とりかえしのつかないことをしてしまったのかもしれないと、観ているものにも罪悪感を植え付けるという作品となっており、色々と考えさせる作品となっていて、とても興味深い映画でした。

あっ、話がずれましたね。

まとめると、この「Search」という映画。既にITを使いこなしている人は、わかるわかるその感じというもので共感できます。(えっ?パスワードかけてないなんてありえなくない?とか、一発でパスワードわかるなんておかしくない?と突っ込みどころもありますが)

逆に、あまりITに詳しくない人はSNSやLive配信サービスってこういうものなんだと、それから今7payなどで話題の二段階認証ってこういうものなんだと雰囲気を感じ取ることができると思います。同時にITリテラシーの大切さも実感することができるんではないでしょうか? とにかく、今、この201x年で実際に使われているITサービスをそのまま使って映画を作られたというエンドユーザ向けのITサービスの旬を感じられる作品です。

お時間がありましたらどうぞ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました