GoogleEarthで故郷を見つけ出す

プログラム

ITやプログラムに絡む映画をちょこちょこと紹介するこの記事。今回は幼い頃に間違って回送電車に乗って迷子になり親と生き別れてしまって孤児院で保護、そのままオーストラリアに養子に引き取られた青年がGoogleEarthを使って生まれ故郷を探し出すという映画「LION」の紹介です。(ネタバレを含んでいますのでご注意を)

 

この映画、面白い発想だなと思ったら実話を元にしているらしいです。幼いころに兄弟とはぐれ仮眠をとっていたら列車が知らぬ間に発車して見知らぬ都市に、孤児院に入れられオーストラリア人夫妻に引き取られて海外で大人になるが、ふとしたことをきっかけにGoogleEarthを使って故郷を探すという展開に

自分が保護されたカルカッタから、電車に揺られた時間と当時の電車の速度から同心円の候補エリアを探し、川で遊んだ記憶などの自分の記憶の中にある原風景を頼りに一つ一つ絞って行くというもの。

いや本当にすごいですね。GoogleEarthが現れたとき、なんでこんなことが、まるでスパイ映画でしか見たことがないようなことが無償でできるんだ?とびっくりしましたが、もはやそれが当たり前になり、世界中のあらゆる箇所の衛星写真がインターネットを介して見ることができる。そしてストリートビューでさらにリアルな風景が確認できる。今後VR技術が確立し、Googleも年代ごとにストリートビューデータを保管していたら、タイムマシン的な使い方ができるかもしれませんね。

この映画で主人公は友人のパーティーで出されたお菓子をみて瞬間的に過去の記憶が鮮明に蘇ってくるんですよね。きっとあれはお菓子の形態もそうだけど嗅覚がそうさせたのではないかと、匂いで一瞬で記憶が蘇ってくる嗅覚ってすごいですよね。

巷では、やれ4Kだ、8Kだと言って綺麗な映像が配信される世界になり、もう現地に行かずとも感動を味わえるじゃないかという気がしますが、やはりブラウン管(表現がまた古い)を通して見るものと実際に現地で見るものは違います。それこそ、現地の「匂い」「蒸し蒸しとした湿度の高さ」「重低音による体の震え」など体で感じる部分です。

ITやプログラムをおすすめしているサイトなので、そういうアナログなことは否定しがちな思想を持っているのかと思われがちなのですが、僕は可能な限りアナログな体験をさせることをオススメします。特に子供にとってアナログな経験は原風景として、いつまでも残ります。僕も地元の富山を離れ、大人になって千葉で暮らすのですが夢に出てくる風景は決まって幼き頃の地元での家であったり、風景であったりします。僕の体験を全ての人に共通化するわけにも行かないですが、そのくらい子供の頃の強烈な体験はのちの生活に影響を与えるのではないでしょうか

ただ一方でこの映画はスラムドックミリオネアでもそうであったように、インドの貧困の部分にも目を当てていて、今も続く幼児誘拐やストリートチルドレン。映画自体はハッピーエンドな訳なのだけど、冒頭部分で描かれる界を見ると、今、安全な環境で子育てができている愛情を注げていると感謝しなければいけないとともに、世界には解決しなければいけない問題が山ほどあるなぁと実感した映画でもありました。

映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』公式サイト
『アカデミー賞最有力!5歳から25年間迷子だった男の数奇な人生とは。笑いと涙が溢れる、圧巻の感動実話。|映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』公式サイト|2017年4月 全国ロードショー

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